外国にルーツを持つ子どもたちの学習を支援します①
MEBUKIでは、「外国にルーツを持ち、日本語でのコミュニケーションを苦手としている」子どもたちの学習をサポートしています。今回は、日本における外国籍の子どもをとりまく現状と課題をお伝えします。
日本語指導が必要な子どもは10年で1.5倍に増加
令和2年の文部科学省の報道発表では、平成30 年5 月現在で行った調査の結果、全国の公立小学校、中学校、高等学校、義務教育学校、中等教育学校及び特別支援学校には、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒は40,755人、日本国籍の児童生徒は10,371人で合計約51,000人。10年間で約1.5倍に増えています。特に、公立高等学校では約2.7倍も増加しています。
参考:文部科学省 令和2年「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成30年度)」
また、令和元年度の調査では、就学していないか、就学状況が確認できていない外国籍の子ども達が、約20,000人いる可能性があるとも言われており、実際にはもっと多くの小中高等学校相当の子どもが、日本語指導を必要としている可能性があります。
参考:文部科学省 令和3年「外国人児童生徒等教育の現状と課題」
国の受け入れ体制や施策は?
日本では、外国人がその保護する子を公立の義務教育書学校に就学させることを希望する場合には、無償で受け入れており、教科書の無償給与や就学援助を含め、日本人と同一の教育を受ける機会を保障しています。
しかし、日本語指導が必要な子どもが増える一方で、特別な指導(教科の補習等)を受けていない児童生徒が20%以上います。教育現場の整備はなかなか追いついていないのが現状です。
そうした現状を受け、改善のために様々な施策が行われてきました。
平成26年度からは、学校教育法施行規則の一部を改正し、小中学校で「特別の教育課程」(在籍学級以外の教室などで行われる特別の指導のことで、一人一人に応じた指導計画の作成・評価を行う。)を導入しました。しかし、それを編成・実施して日本語指導を受けられているのは、特別な指導を受けている児童生徒のうち、約60%です。
参考:文部科学省 平成26年「学校教育法施行規則の一部を改正する省令等の施行について(通知)」
平成29年には、日本語能力に課題のある児童生徒への指導のための教職員を児童生徒18人に対し1人とする基礎定数の新設をする法改正がありました。ただし、平成29年〜令和8年度までの10年間で計画的に措置、という程度に留まっています。
こうした現状や課題があるため、令和3年度にも「外国人児童生徒等に対する指導・支援体制の整備」の予算があるものの、国からは1/3の補助を出すにとどまり、2/3は各地方自治体が負担することになります。そのため、ある市町村に在住の子どもは無償で学校外の日本語指導が受けられるが、隣の市の子は有償になる、といったことが起きるなど、各自治体の財政状況によって指導・支援体制が大きく異なってしまうのが実情です。
参考1:文部科学省 令和3年「外国人児童生徒等教育の現状と課題」
参考2:文部科学省「外国人児童生徒等教育の現状と課題(令和2年度)」
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