【海外の教育事情を知ろう】インターナショナルスクールと日本の小学校、比べてみるとこんなに違う Vol.1~制度や学校生活について~

こんにちは、国際教育ライターの羽木です。

我が家では親子留学を予定していましたが、コロナで一旦延期しました。娘はあまり英語が出来ませんでしたが、日本国内のインターナショナルスクールで受け入れて頂ける事になり、公立小学校4年生から編入。

Vol.1ではインターナショナルスクールの仕組みや生活面、学校行事など、編入してから感じた日本の小学校との違いなどをご紹介します。

インターナショナルスクールとは

日本国内にあるインターナショナルスクールは、基本的に日本に在住する外国籍の児童のための学校となっています。親の仕事の都合などで様々な国に滞在して学ぶ児童が、教育制度の違いなどにより進学の際に不利益を被る事のないよう、共通した教育を受けられるようにと設立され、発展してきました。

国際バカロレアやケンブリッジ国際といった世界的に採用されている教育システムから、アメリカ、カナダ、インドなど、自国の教育制度を踏襲する学校など様々ですが、ほとんどの学校で授業は英語で行われています。

日本国籍の児童もインターナショナルスクールに通えるの?

グローバル化が進む中、「子どもに英語でコミュニケーションが取れるようになって欲しい」「日本にいながら、海外の文化を体験出来る」などの理由から、インターナショナルスクールを希望する家庭は年々増えています。


日本国籍の児童でも、学校から入学を許可された場合はインターナショナルスクールに通う事が出来ます。入学時に年齢相当の英語力を求められる事が多いですが、英語の特別授業を受けて、英語力を上げる事を条件に入学を認める場合などもあり、学校により規定が違います。

ただし、インターナショナルスクールは日本の学校教育法第1条に規定する学校(いわゆる一条校)として認められていない「各種学校」扱いである学校が多いため、保護者は法律で規定された就学義務を履行した事にはなりません。(※一条校として認可を受けているインターナショナルスクールもあります。)

出典:文部科学省「学齢児童をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の修学義務について

地域によっては、公立の学校に籍を置いてもらいながら、インターナショナルスクールに通える場合もありますので、最寄りの役所や学校に事前に確認されると良いでしょう。

インターナショナルスクールと日本の小学校との違い

シンガポールのショッピングモールをイメージした作品(筆者提供)

9月から新学年が始まる学校が多い

日本では4月が進級の時期になります。インターナショナルスクールでは、日本と同様4月始まりの学校もありますが、多くの学校で8月末や9月から新学年が始まります。

9月始まりの場合、4月~8月生れの児童は日本の学校より1つ上の学年になる事が多いです。

例えば、日本の小学校では1年生でも、4月~8月生れの場合、インターナショナルスクールでは2年生、9月~3月生れの児童は1年生となります。とはいえ、学校によって違う事もありますので、確認が必要です。

娘の場合は、公立小学校4年生の9月からインターナショナルスクールに編入しました。本来なら5年生になる年齢でしたが、英語力が足りない事と、4年生の生徒数が少なく、担任の先生は英語も日本語も出来た事から、4年生に編入して英語に慣れていく事を勧められ、学年を1つ下げて、4年生に編入しました。(※学年の変更等についての対応は学校により異なります。)

スナックタイムがある

インターナショナルスクールに編入して娘が驚いていたのは、午前中にスナックタイムがある事です。公立の学校では、給食の時間以外に何かを食べるという事がなかったので、喜んでいました。

学校からは「ヘルシースナック」を持って来るよう言われていますが、結局のところ何でもいいようです。我が家では果物やゼリー、ちょっとしたスナックなどを持っていく事が多いです。

1クラスの人数が少なめ

公立の学校では1クラスあたりの児童数は35名程度で、これは世界的に見ても多いと言われています。インターナショナルスクールでは多くても20名程度ではないでしょうか。娘の学校では基本的に1クラス15名前後です。

転入・転校などが多い

親の仕事の都合などで海外から日本のインターナショナルスクールに転入してくる児童や、逆に日本から海外の学校へ転校したり、本帰国となって自国に戻る児童など入れ替わりは多いです。学年の途中から突然、日本在住の日本国籍の生徒が転入してくる事もあります。

幼稚園や小学校の低学年からインターナショナルスクールに在籍して、4年生くらいから日本の学校に戻る生徒もいます。娘の通っている学校は小学部までしかないため、早めに中学部のある学校へ移っていく生徒もいます。

このような環境に先生も生徒も慣れているため、娘の場合も、4年生から編入して慣れるのか心配していましたが、転校生は寧ろ大歓迎されるようで初日から楽しく通う事が出来ています。

持ち物が少ない

娘の学校は国際バカロレア認定校です。決まった教科書はなく、その都度プリントが配られたり、様々な資料やYou Tubeなどの動画を授業で使用しているようです。パソコンを使う事が多いですが、ノートを使う場合も学校から支給されています。国語の授業だけは公立校と同じ教科書を使っています。

学校指定の体操服や水着もなく、鍵盤ハーモニカやリコーダーなどもないので、持ち物は多くありません。以前は毎晩、翌日持って行く教科書や持ち物を確認して用意していましたが、現在は毎日ほぼ同じで、筆箱・スナック・お弁当・水筒くらいしか持っていきません。

編入するにあたって唯一指定されたのは、学校行事などで着る場合があるという学校のロゴが入ったネイビーのポロシャツだけでした。

給食当番や掃除はなし

インターナショナルスクールではカフェテリアで好きな食事を選べたり、給食形式だったり学校により様々です。娘の学校は比較的小規模な学校のため、カフェテリアはなく、お弁当を頼むか家から持参しています。そのため給食当番はありません。

掃除も学校のスタッフの方がやって下さるので、児童がやる事はありません。公立校ではどちらもやっていた娘からすると、掃除をやってもらうのが何だか申し訳ないなと感じたようです。

一風変わったイベントが多い

日本の運動会にあたる「スポーツ・デイ」はありますが、もっと気軽な体を動かす日という感じで、それほど大々的ではありません。それ以外にも様々なイベントを各学校で主催しています。日本の学校と比べると、仮装する機会が多く、準備がちょっと大変だなと思う事はあります。ハロウィーンでは先生方も本気で仮装しますし、生徒も気合いが入っています。

それ以外にも、パジャマで過ごす日もあれば、「クレイジーソックス」を履いてきて下さいとか、「変わった帽子」を被ってきて下さい、「民族衣装」を着て下さいなど様々な連絡がきます。これといった正解はないため、どういう仮装をすればいいのか、毎回悩みながら準備をしています。学校から送られてくる写真を見るのは楽しみです。

長期休暇が多い

覚悟はしていましたが、インターナショナルスクールは長期休暇が多いです。夏期休暇は2ヶ月間ありますし、冬期休暇も3週間くらいあります。それ以外にも秋にも1週間お休みがありますし、ゴールデンウィークも1週間お休みになります。春休みは日本の学校の方が長いです。

その代わりに、日本の祝日はお休みでない事が多く、日本の学校のように長期休暇前は半日になったりする事はほとんどなく、毎日授業はいつも同じ時間に始まり、同じ時間に終わります。

夏期休暇は学年が変わるタイミングという事もあり、宿題もありません。自国に一時帰国する児童も多いですし、学校が主催するサマープログラムに参加する場合もあります。別の学校のプログラムに参加する事もあります。長いお休みをどう過ごすのか、費用もかかりますので、親にとっては悩ましいです。

先生の残業が少ない

4年生に編入した際に、担任の先生からは「何かあったらいつでも気軽にメールして下さい。ただし、平日16時以降と週末はメールを確認しませんので、よろしくお願いします」という事を説明されました。

公立校の先生とは、「連絡帳」と呼ばれるノートでやり取りしていたので、メールで連絡出来るという事が新鮮でしたし、先生方の残業が多い事が大変だと思っていたので、ハッキリと対応時間を最初に言って頂いて良かったと感じました。

娘に聞いても、学校の授業や放課後のクラブが終わった後に残業する先生はほとんどいらっしゃらないようです。国際バカロレアの場合、教科書がない代わりに授業で使うプリントやどういった動画や素材を使うのかなどそれなりに事前準備は必要だと思いますが、担任の先生は全ての教科を担当する訳ではないので、他の先生の授業を受けている間に準備をされているようです。放課後に残業するとしてもせいぜい1時間程度のようです。

Vol.2では、インターナショナルスクールでの授業や英語学習などについてお伝えしたいと思います。

国際教育ライター 羽木

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