【海外の教育事情を知ろう】インターナショナルスクールと日本の小学校、比べてみるとこんなに違う Vol.2~教科の授業について~
こんにちは、国際教育ライターの羽木です。
我が家の娘は公立小学校の4年生から、インターナショナルスクールへ編入しました。Vol.1では、インターナショナルスクールの制度や生活面についてご紹介しました。Vol.2では、英語や算数などの教科の授業についてご紹介します。
「学校」といっても、それぞれの国で仕組みは異なります。違いを知ることで日本に来た子どもたちが何に困っているのかを知ることができ、伝え方も変わってきます。子どもたちとの関わりの際にぜひご参考ください♪
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インターナショナルスクールの教育
インターナショナルスクールでは、各学校で採用している教育カリキュラムが異なります。なかでも国際バカロレアとケンブリッジ国際は世界的に多くの国々で採用されている教育プログラムです。その他にも、アメリカ、カナダ、インドなど、各国のカリキュラムを採用している学校もあります。
インターナショナルスクールの授業は基本的に英語で行われます。そのために、授業についていけるだけの英語力が必要です。学校によっては、英語力が不足している場合は英語力を上げるためのサポートを受ける事で、入学や編入が認められる事もあります。娘の場合は生徒数の少ない学年だった事もあり、レベル別に指導が可能という事で受け入れて頂けました。
娘の通うインターナショナルスクールでは、英語・算数・体育・音楽・美術・ICTなどの教科の授業があります。国際バカロレアの認定校ですので、「ユニット」と呼ばれる国際バカロレア独特の教科融合型の授業もあります。
日本国籍の生徒用に日本の小学校と同じ「国語」の授業と、外国籍の生徒向けに「日本語」の授業もあり、これらの授業は日本語で行われています。
インターナショナルスクールの教科の授業
娘のクラスでは、担任の先生が英語・算数・国際バカロレアの授業を行い、体育・音楽・美術・ICT・国語/日本語は専門の先生が担当します。日本の小学校と大きく違うのは、理科と社会の教科がない事です。
理科と社会は国際バカロレアの授業の中で、教科融合型として学びます。ここでは、英語・算数・ICT・国語/日本語の授業についてご紹介します。
英語
英語の授業では、他のクラスメートは学年相当の英語力がありました。娘だけ最初は英語ネイティブの幼稚園レベルからスタートしました。毎週単語テストがあり、簡単な本を読んだり、文法を教わっていました。特に読書は推奨されていて、本を読んで内容をまとめるという宿題が常に出されていました。
最初の半年間はほとんど授業内容を理解できていなかったと思いますが、その後少しずつ先生の話す内容を聞き取り、授業についていけるようになりました。
毎日英語環境にいるうちに5年生の途中から急に英語力が上がりました。最初は自力で英語の文章を書けませんでしたが、エッセイの型から学んでエッセイを書いたり、物語や詩を作る事も出来るようになりました。ハリー・ポッターの原書も読めています。スピーキングが最も難しく今も得意ではありませんが、それでも1人でプレゼンをこなしたり、英語ネイティブと最低限の日常会話は出来るようになっています。
英語力がどれくらい伸びるものなのか聞かれることが多いのですが、分かりやすく英検で言うと、娘の場合はインターナショナルスクールに編入して約2年で、ほとんど勉強する事なく2級に合格しています。きちんと勉強して対策すれば、準1級も合格するのではないでしょうか。実際にインターナショナルスクールでは、小学生で2級や準1級に合格している生徒は多いです。
算数
算数においては、基礎的な内容は日本の学校で習う内容と似ています。ただし、応用問題などは日本の算数の方がかなりレベルが高いです。学校にもよるとは思いますが、インターナショナルスクールでは日本人なら必ず覚える九九はやりません。文章問題も日本の小学校の内容と比べるとシンプルな設問が多いです。
娘の場合は4年生まで公立の小学校に通っていたので、九九はやっていました。公文や塾も活用していたおかげか、算数は得意科目ではありせんが、クラスメートと比べると計算も早い方で、内容も理解出来ていました。
ただし、あくまで英語で算数の授業を受けているので、例えば、Probability(確率)・Ratio(割合)・Rounding(四捨五入)といった算数の英単語を覚えるまでは苦労しました。
授業では教科書やプリントを使うほか、You Tubeで説明を聞いたり、宿題でカーン・アカデミーの問題をやるなど、様々な方法で学んでいます。
ICT
多くのインターナショナルスクールでは、普段から生徒が各自でパソコンを使用して授業を受けています。プレゼンテーション資料を作成するのにCanvaを使ったり、先生とSeesawで共有したりと、様々なプラットフォームを使いこなしています。リサーチにもパソコンはかかせません。そのため、先生も生徒も基本的なICTスキルがあります。
授業では、そもそもICTとは何かという知識を学ぶほか、電気を通すペイントを使って音が鳴るようにしてみたり、ゲームを作ってみるなど、様々な事をやっていました。簡単なコーディングも学んだそうです。STEM教育にも力を入れており、パソコンでデザインから起こして、3Dプリンターにつないで作品を仕上げたりもしています。
国語/日本語
国内のインターナショナルスクールの先生や生徒も、学校では英語環境で過ごしますが、校外では生活する上で日本語を使う必要が出てきます。そのため、流暢ではなくても日本語を理解している人も少なくありません。
これも学校により違うと思いますが、娘が通うインターナショナルスクールでは、日本人の生徒に対しては、日本の小学校で使う教科書を使用して、同じように国語の授業を行っています。漢字や慣用句なども教わります。少し違った点といえば、授業で作文を書くこともありましたが、将来的に海外の学校に進学する生徒もいるため、日本語でエッセイを書くこともありました。
一方、外国籍の生徒の場合は、ひらがな、カタカナ、漢字のほか習字など、日本語の初歩から日本の文化まで教えています。
インターナショナルスクールでは、生徒の入れ替わりが多いうえに、それぞれの生徒の日本語のレベルには大きな違いがあり、先生は生徒のレベルに合わせて教える工夫が求められます。
我が家の場合は、公立の小学校4年生からインターナショナルスクールに転入したため、国語の授業は難しくないようです。他の授業は英語で学んでいるため、国語の授業では日本語で学び、漢字なども勉強できるのはとても良いと感じます。
インターナショナルスクールでの教科の授業について、ご紹介しました。Vol.3では、国際バカロレアの探求型授業についてお伝えしたいと思います。
国際教育ライター 羽木
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